「のらくろ」だらけの商店街がある
(上)「のらくろード」入り口(中)「田河水泡・のらくろ館」、ダラけたのらくろ(下)こんなところにまで!
先日、深川音頭パレードが催された江東区森下の「高橋商店街」は、「のらくろード」と名づけられ、町中に「のらくろ」が溢れるなかなか面白い通りである。そんな「のらくろード」の、普段の様子を伺ってきた。


そもそも、漫画「のらくろ」の作者である田河水泡(たがわすいほう)が幼年期から青年期までを江東区で過ごしたということで、平成11年、この地に「田川水泡・のらくろ館」ができ、それをきっかけに商店街を「のらくろード」と改名。実は、この辺りは私が小学生の頃ブイブイ言わせていた場所で、よく自転車で来ていたのだが、ある日突然のらくろの町になっていたので驚いたものだ。

通りに足を踏み入れると、それはもう「のらくろ」の嵐!「のらくろラムネ」に「のらくろ手ぬぐい」、「のらくろのお酒」など様々なグッズが手に入る。ラムネを売っていたお店の脇には「野良犬黒吉、これが僕の本名です」と、唐突に「のらくろトリビア」が書いてあったりして、のらくろに疎かった私も徐々に物知りに。

商店街を抜けてさらに進むと「江東区森下文化センター」があり、その中に「田川水泡・のらくろ館」がある。入り口にはなんだかダラーンとしたのらくろ人形が置かれており、モニターではのらくろのアニメが流れている。
のらくろの声がけっこうやんちゃな悪ガキっぽくて驚く。こいつ、一見かわいいが、なかなか油断できない…。

中に入ると、原画や単行本などが展示されており、のらくろの歴史を堪能。田河水泡の仕事場も再現されていた。驚いたのが「田河水泡」というペンネームの由来。彼の本名は「高見澤仲太郎」、その名字を「TAKAMIZ AWA」と分解して「田河水 泡」と、字を当てたという。
とはいえ誰も「たかみず あわ」とは読まず、「たがわ すいほう」と自分を呼ぶので結局そっちになったとか。今後役に立つことはまず無いだろうが、なんとなく死ぬまで憶えていそうな印象深いトリビアだった。

鳥取県の「水木しげるロード」と並ぶ日本有数のまんが道、「のらくろード」にぜひ一度足を運んでみて欲しい!(スズキナオ)